世界をより適切に理解するということは、難しいことだ。
この世界というのは、因果関係と言い換えても差し支えない。
つまり、物事の繋がりであり必然性だ。


実のところ、心理学者は内面で考えていることについて、
それをそのまま真に受けたりはしない。
幾分か割り引いて評価する。あるいは、全く考慮しない。
(研究によっては、プロトコルのように重視される)


これは結局のところ、人の内面はわからないということに由来している。
心は非物理的なもので、客観的な測定も試せるが、
当然のことながら完璧ではありえない。


ここで、一人の青年を考えよう。彼は一人の女性に恋している。
彼は彼女の奥深い性格に惚れたという。
少なくても、彼はそう報告する。
しかし、意地悪な心理学者はここで幾通りの説明も考え出す。
・彼女の顔立ち、あるいは身体的魅力
・彼女が持つ付加価値、ありていに言えば財産や地位
・周囲の人間による圧力
・彼女の性格……ただし、自分の思うとおりに振舞ってくれる所が好き
・自分の嫌いな奴が、好きな人だから――復讐的
・初恋の人に似ていた
・実は女である程度のレベルなら、誰でもいい

さて、これらの説明の可能性を除外できるだろうか。
だが彼女の顔立ちの時点で、すでに可能性を除外することは難しい。
顔や体を変えてもらうわけにはいかないからだ。
結局、意地悪な心理学者は渋々と……やむなく、彼の報告を受け入れる。
もちろんレポートにはこのようなことを書くことになる。
「彼は主に性格によって、好意を寄せていたと報告した。
しかし、彼女の容姿はかなり良かった」と。