さて、間が空きましたが人間性心理学について概要を説明します。
この人間性心理学は、主として行動主義と精神分析への
批判から生まれたもので、1960年代に大きく発展しました。
これまでの精神分析における病理的な人間観、
行動主義における機械的な人間観を
乗り越えるものとして生まれたのです。
さらに、理論的な人間観だけでなく、
心理療法にも絶大な影響を与えました。
今日、専門的カウンセリングというときは、
ほぼこの人間性心理学に基づいています。
この人間性心理学の特色は、
これまであまり重要視されなかった、
人間の善、美、精神的成長を取り上げたことでした。
人間には精神的成長の欲求があるとしたのです。
あとは精神的健康という側面にも、
研究を広げていったのがあげられるでしょう。
世にいう偉人達を取り上げて、
その要素を研究したのも人間性心理学なのです。
ここまでをまとめると……。
・それまでの心理学の人間観を改めて、
より積極的で肯定的な側面をとりあげる。
・指示的で解釈的な心理療法に対して、
より共感的で温かみのある、成長の場としての
心理療法を提供する。
・人間の成長の要素を調べて、
どのような特質によって社会、対人関係が
うまくいきうるかを示す。
ということになります。
人間主義的、理想主義的な面をとりあげた
心理学といえるのではないでしょうか。